新しいチャンス到来か。

居候している会社のプロデューサー氏が、公募によるピッチの仕事を見つけてきた。

某省庁が映像コンテンツ産業を振興するために主催するプロジェクトだという。

全国からの有志の企業がクライアントとなって参加し、自社の製品や事業のブランディング映像を制作するために公募形式でピッチを行うというものだ。

JACから回ってきたお知らせにさりげなく載っていたというこのイベント。詳しい内容はわからないがもしかするとおもしろくなりそうだ。

ともかくオリエンを聞きに行ってみようということになった。

オリエンは、オフィス街のビルの中にある広いホールで行われた。

満席であった。

大勢の人の中に知っているプロデューサーの顔も何人かみつけた。向こうは私の顔を見るとちょっと驚いている。あれ、こんなところで?という顔をしている。来ているのはプロダクションの人がほとんどだから、まだ代理店の人というイメージが強い私がいるのは意外に思ったのかも知れない。

オリエンは約3時間に渡って行われた。

全国、8つの会社から来た代表者が入れ替わりで壇に登り、熱のこもったスピーチをしてくれた。

オリエンというよりも、むしろプレゼンテーションと呼んだ方がふさわしい。

業種は多岐に渡るが、起業したての若い会社あり、老舗会社の新規プロジェクトあり、どの会社のプレゼンターも自社の事業や商品について、また直面している課題について、率直な言葉で真摯に語ってくれる。企画への期待感がひしひしと伝わってくる。

聴いてるうちにすごくやりたくなった。

率直に語る彼らの課題解決のために、自分の企画で応えることができるなんてクリエイティブ冥利につきるではないか。

とりわけとにかく何か作りたくてしょうがない私のような駆け出しフリーランスにとっては願ってもないチャンスだ。

運良く形になれば雑誌やインターネットで紹介されることもあるかもしれず、絶好の名刺代わりになる。

やってみようぜ!

オリエンの後、オフィス街の居酒屋で私たちはビールを飲みながら盛り上がった。