プレイヤーであり続けること。

そのピッチには、居候先プロダクションの企画部スタッフといっしょに4社全7案をまとめ、応募した。

私はCD役としてみんなにオリエンをし、ブレストや打ち合わせをしながらも、かつプランナーとして自分でも企画をした。

みんなの仲間でありながら、競争相手でもあるという立場を貫いた。

独立後の自分のテーマとして、書くことから逃げない、何が何でも書く、石にかじりついても書く、ということを決めている。

プレイヤーであり続けることは譲れない。

CDという名のまとめ役に徹してしまえば、楽ではあるのだが、それをやってしまったら何のためにフリーになったのかわからない。本末転倒になってしまう。

「勝つために」という美名が大手を振るうのが代理店という場所だった。その美名を口にすると楽なのである。だから弱いものは口にする。私はそれで楽をした。その結果何も作れなかった10年間がある。

大事なのは自分だろ。どんなに無様でも自分の作りたいものを作り続けたい。

For the teamを掲げながら、一方では肉食獣のように個人プレーを主張するのは、むずかしいことだ。逃げ道がない。弱気ではやれない生き方だ。損か得かといったら、損かもしれない。

でもそれで行こうと思っている。